石見銀山 群言堂

刺し子の水玉|登美のものづくり

刺し子から生まれた素朴な水玉柄

ひと針ひと針。
刺し子を重ねて水玉の模様を作りました。

下書きなんてしません。

思いのままに手を動かしていくうちに、点と線が丸い形になっていくのです。
ところどころに下生地が見えてていい。まん丸じゃないのが丁度いい。
人の手仕事から生まれた水玉はどこか懐かしい素朴な模様になりました。

マンガン絣水玉柄(2017年)

刺し子で作った水玉をマンガン絣という生地で表現しました。
レトロでモダンな雰囲気のマンガン絣にぴったり。

マンガン絣は、大正4年に新潟県見附(みつけ)市で開発された夏物用の染絣です。それは織絣と区別がつかないほど精巧なもので、その技法は各地へ広がっていきました。
糸を縛り染め分けして柄を作る絣織などとは違い、プリント部分に化学反応を起こさせ柄を浮き上がらせて、絣織のように見えるプリントです。プリント部分に化学反応を起こさせるために、何種類かの液体に浸けて酸化力の強いマンガン糸を作るのですが、この糸を作れる職人さんが現在は1人となってしまいました。その職人さんが作り続けてくださる限り群言堂は毎シーズン、マンガン絣を作り続けています。

茅葺き屋根の縁側でちくちく

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