第六話 人間は一人では生きていけないという幸せな設計がされている|群馬県高山村 在る森のはなし 木暮咲季

第1話でお伝えしたように私が大学生だった頃は、どうしたら「暮らし」「地域」「仕事」の全てを大切にする生き方ができるだろうかと悶々としていました。

あれから現在向き合っているのは「家族」「会社」「地域社会」です。

今回はその変化と、その3つの枠組みにどんな未来を見ているのかをお伝えできたらと思います。

ちなみに相変わらず変化続きの性分でして、当初言い切り調でスタートしたこの連載ですが、「ですます」じゃないと辛くなってきました。笑

ひっそり変更させていただきます。

組織嫌いな私が会社を立ち上げることに

自宅であるカエルトープにて焚き火で朝ご飯

私は ”組織” に対していい印象を持っていませんでした。

大学卒業後、仕事をする中で、どうにも抗えない権力があることに強い違和感を感じ、

「ある程度大きくなった ”組織” は、働く人が幸せになれない」

「フリーで仕事をした方が幸せになれる」

「本当に大切なものを守るためには個人事業の方がいい」

恥ずかしながら34歳までそう思って生きてきました。

ところがどういうことか、今会社化に向けて目下修行中です。

変化を迎えた理由はいくつかありますが、

大きな理由の一つは

「私が思い描く未来を本気で作ろうとした時に、個人では実現できない」と気づいたためです。

人は一人では生きていけないという幸せな設計

近所のおじちゃんからもらったイチゴでもぐもぐタイム 友人の子と一緒に

生まれてから死ぬまで、人は一人では生きていけないので、誰かと生きていきます。

でも人の悩みの多くは「人との関わり」にあります。この人との関わりの中でも人生の中で特に深い関わりを持つのが「家族」「会社」「地域社会」です。

「家族(血のつながりは関係なく)」「会社」という ”チームの在り方” が人が幸せに生きていくために大切な要素だけれど、大抵の場合人はこの在り方について悩んでいます(もしくは愚痴を言っている)。なんだこの矛盾は……!!

人はチームで協力し合わないと生きていけません。

絶対避けて通れない人間の宿命は、とっても幸せな設計だなぁと感じます。

きっと神様がそういうプランを人間に持たせてくれたんでしょう。

ならば ”幸せなチームの在り方” を作って生きていきたい。

それを広げていこう!と意気込みます。

意気込んだはいいものの……

「有限会社きたもっく」を案内していただいた時の様子 メンバーとお邪魔しました

一度も就職したことのない私は、

「協力しあう」「正確に伝える」「複数人で計画し実行する」これらのスキルを身につけてきませんでした。

一人で実現できる範囲のことなら器用にこなせるタイプでした。

しかし複数人で一つの目的に向かおうとした時に、経営のケの字、マネージメントのマの字も理解しておらずメンバーに迷惑をかけました。



今まで私が毛嫌いしてきた「会社」「組織」というものがなぜあるのか。

その仕組みやルールを学んでいくうちに、それは一緒に働く人に対する合理的な優しさや配慮の結果なのだということをようやく理解しました。

今まで毛嫌いしていてごめんなさい!!と土下座したい気分でした。

(イメージの中の私は20回くらい土下座していました。)

現在基本的なスキルを身につけるため、メンバーが協力してくれてみっちり教えてくれています。

相変わらず計算や資料の書き写し、手続きなどがびっくりするほど苦手です。単純であればあるほど苦手(頼まれたものを買ってくるとか、左に書いてあるものを右に書き写すとか)なのですが、やりたくないから出来ないふりをしているだけかも知れません。

できないならできる方法を探したのか?
方法はいくらでもあるはず。想像力を働かせなさい。

そんな具合に愛あるスパルタ教育を受けています。

「私は何をしに生まれてきたんだっけ?」

まだ会社になってはいませんが立ち上げメンバーです

”美しい景色が見たい”

漠然とそう思って土地を購入してから紆余曲折。

私が見たかった美しい景色とは、人が本来の自分を思い出し、その姿で生きる人が作る、家族、会社、社会、世界。なんだと、紆余曲折の末に気づきます。


「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」


ゴーギャンの絵画のタイトルにもあるこの問いは

きっと人間の最大の問いなんでしょう。

この問いの答えを見つけた時、

自分の命と、全ての命が祝福されていることに気づき涙が出ます。


人がこの問いに向き合い、思い出し、その姿で生き始めた時、

その人の美しさに触れて涙が出ます。

紆余曲折しながらも幾度となくその涙を流し、私が見たかった美しい景色ってこのことだったんだ。気づかせてくれました。



私は何をしに生まれてきたんだっけ?

人がその問いに向き合い、気づき、

その姿で生きる「家族」や「会社」を作る。

そのために私は愛する人や自然をどこまでも愛し続け

そうやって愛のある世界を当たり前にしていく。

これが私が人生をかけてやりたいこと。です。


ではそのために実際どんな事業プランを考えているのか、次回お知らせしたいと思います。


筆者プロフィール

木暮 咲季

こぐれ・さき

1987年群馬県生まれ。東北芸術工科大学卒業。山形・蔵王の麓にて10年間、農、教育、手仕事などの仕事をしながら半自給自足生活。2016年秋に群馬県の高山村に移住。現在は「カエルトープ」に暮らしながら「在る森のはなし」を立ち上げ&開拓中。その他、村づくり業務、移住・定住コーディネーターの委託をうけている。

群馬県高山村・移住と暮らしのサイト

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