石見銀山 群言堂

第五話 開拓奮闘記ビフォーアフター #2|群馬県高山村 在る森のはなし 木暮咲季

前回から「開拓奮闘記」ということで、どんな風に在る森のはなしを開拓してきたのか、まだまだ続くので完成ではありませんが現時点のビフォーアフターをお送りしています。

第四話「開拓奮闘記#1」では在る森のはなしのランドスケープのビフォーアフターを紹介しました。今回はこの土地に元々あった平家の改装ビフォーアフターをお送りします。

相変わらずまだまだ途中の様子で散らかっていてお目汚しになるかもしれませんが、ご了承くださいませ。



家の片付け

草を刈り払い家まで辿り着けるようになったのでお次はゴミ捨て!

家の中はそのままになった家財道具や動物が入った痕跡、割れた窓ガラスからは植物も侵入。時には生き物の骨が出てきたり…。

そんな状態にめげそうだったけど、こちらも村の若者2人に手伝ってもらいなんとか散らかった家を空にすることができた。

軽トラで何往復したことでしょうか……

内装の解体

片付けの後は解体作業。

この平家は「6畳間が3部屋」「4畳ほどのキッチン」「4畳半が1部屋」あり

なるべく部屋の壁を無くして風通しのいい空間に作り変え、いらない壁と天井を抜きました。

使った道具は、バール、木槌、金槌、ノコギリ、電動丸鋸、インパクトドリル、カッター。解体作業はバールの出番がダントツトップ。

ベリベリバキバキ解体作業は他にはない爽快な作業です。(鼻の穴は黒くなるけど)

壁を剥がした後、部屋が1つになり広々しました。ここは床を剥がして土間にします。

こちらが製作中の土間スペース。天井を抜いたので広くなりました。

束柱が数本シロアリに食われていたので床も全て剥がしました。

まだ途中ですが、ここは現在休憩スペースになっています。

なんでも自分で作る

「昔のお百姓さんはなんでも自分で作れたんだ」とよく言い、「必要なものは自分で作る」という精神の父の影響か、気づけば私もそれが当たり前だと思って育ってきた。

今は、作ってくれる人がいるからその人に任せればいい、と思えるようになったけど、数年前までは一度は自分で作らないと気が済まなかった。

そしてその影響はどうやら手仕事だけではなかった。

「入りたい会社がない。だから会社は自分で作ればいい」

「世の中のルールで納得いかないことがある」

ならば自分でなんとかしようと試みる。

そんな風に、本当にあらゆることを自分の手でなんとかしようとする癖がついていた。

2話〜3話で綴ったように、いろいろな経験を経て「なんでも自分で作るんだ」という頑なさが剥がれ落ちた今も、相変わらず創造し続けていることには変わりがない。

あの時と変わったのは、あらゆる選択を自由にできるようになったこと。

「こうでなければ」と自分で自分の首を絞めていた自分とはおさらばできたのか、選択肢が増えたおかげでできることも増えた。

先に完成させた事務スペース

まだまだ改修工事は続きますが、来年の4月には完成を迎える予定。

次回は10月ごろに「開拓奮闘記#3」をお送りします。


筆者プロフィール

木暮 咲季

こぐれ・さき

1987年群馬県生まれ。東北芸術工科大学卒業。山形・蔵王の麓にて10年間、農、教育、手仕事などの仕事をしながら半自給自足生活。2016年秋に群馬県の高山村に移住。現在は「カエルトープ」に暮らしながら「在る森のはなし」を立ち上げ&開拓中。その他、村づくり業務、移住・定住コーディネーターの委託をうけている。

群馬県高山村・移住と暮らしのサイト

わたしの根のある暮らしの他の記事