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第五話 子どもが子どもらしく...(後編)|オザキマサキさんの根のある暮らし

川では毎日いろいろな遊びをしてすごします。

止まらない震え

朽木は水に恵まれた環境なので、真夏でも川の水は冷たく、いくら無敵の子どもたちでも、徐々に唇は青紫色になり、体はブルブルと震え始めます。

すると誰かがそこでたまらず、「温泉いこや!」と声をかけ、彼らは川の上流の砂場ポイントに向かい、砂風呂のように体を埋めて温めます。

ものの1~2 分くらいでしょうか。「よし!温まった」と地面から飛び出し、砂まみれでまた川に戻るのです(笑)。

突然のおしっこ噴射攻撃(笑)

川には僕たち人間だけがいるわけではありません。遊んでいると、いろいろな生き物に遭遇します。

特に涼しげな日陰のある河原には、よくヘビがいます。ある日も大きなシマヘビをみつけ、子どもたちは石を投げて撃退しようとしていました。

そこにいる誰もが、ヘビは逃げ去ると思いきや次の瞬間、「なめんなー!」とばかりに、こちら側へ飛びかかってきたのです。

子どもたちはみんな、驚く間もなく飛び逃げましたが、ひとりだけ逃げ遅れヘビもそちらへ(笑)。やはり自然界では弱い者が狙われるのでしょうか。

ブチ切れたシマヘビ

またある年は河原の大きな岩盤下に、スズメバチが異常な数の巣をつくっていました。

危ないから駆除することにした彼ら。海パン一丁なので駆除も危ないが(笑)、ここでも石を投げて巣を落とす作戦です。遠くからではなかなか当たらず、徐々に距離をつめていきます。

大きな石を巣に命中させた瞬間、一気に逃げる子どもたち。

しかし、こわすぎて最前線に来れず、離れた場所で様子を見ていた子が、慌てすぎて転び、石でひざを強打するという……。これも何かの教訓でしょうか(笑)。

あの岩盤の下に

まあ、そんなこんなで馬鹿な話はつきませんが。まるでサルのように飛び、走りまわる、エネルギーのかたまりのような子どもたちを何年も見ていて、ふと思ったことがありました。

「こうやって何の制限も受けず、わき出るエネルギーを爆発させる時間が、人という動物が成長していく過程では、生きる根幹にかかわる、とても重要なことなのでは……」

謎の雄叫び

僕自身は子ども時代を、思いきり遊んですごしたので、それが普通だと思っていました。

いまの世の中は、子どもが自由に遊ぶことを、許さないような空気が増えているように思えてなりません。

子どもが子どもらしく遊ぶ……。このごくごく自然なことを、優しく見守ることのできる社会になればと、心から願っています。



筆者プロフィール

オザキ マサキ

1974年広島県呉市生まれ。滋賀県高島市在住。写真家。「子どもが子どもらしくいれる社会」をテーマに、ドキュメンタリーやポートレートの分野で活動中。写真集に「佐藤初女 森のイスキア ただただ いまを 生きつづける ということ」がある。HP:www.ozakimasaki.com

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