石見銀山 群言堂

もう夫のいびきに悩まされません|vol. 7

もう夫のいびきに悩まされません

 別居して一人暮らしになると、起きる時間も寝る時間も自由。食事をする時間もいつだっていいわけです。やはり同居しているときは、何時に食事を用意して、だったらその前にあれもしなきゃ、これもしなきゃとすごく縛られていましたから。それがなくなったのはすごく気楽です。

 一人で寝られるので、本当に質のいい睡眠をとっていますね。おかげさまで健康そのものです。今までは夫婦で寝室も同じでしたから、隣で寝ている大吉さんのいびきがうるさくて眠れないこともありました。

 いびきがあまりにうるさいときは、たくさんつくっておいた小さいクッションを顔に向けてボーンと投げていたんです。うるさいって。クッションを投げるようになったのは、町内に住む奥さんの話がきっかけです。

 この町は、田んぼは少ないのですが、彼女の家の前には田んぼがあるんです。そこに遊びに行くと、カエルがものすごくうるさい。それで、彼女に「カエルがうるさくて寝られないんじゃないの?」と聞いたんです。そうしたら、枕元に石ころを置いておいて、うるさいときはそれを田んぼに投げるんですって。
 そうすると一瞬静かになる。しばらくすると、またゲロゲロと鳴くんだけど、それを繰り返すと夜中までは鳴かないんだって。それを聞いて、私もこれだと(笑)。
 といっても、まさか石ころをぶつけるわけにもいきません。クッションならやわらかいからぶつけてもケガをしないかなと思って、小さいクッションをたくさんつくったわけです。
 隣に寝ているご主人のいびきがうるさくても、仕方なく我慢している奥様が多いのではないでしょうか。
 クッションをたくさんつくって夫がいびきをかくたびにぶつけるのも、いいアイデアだと思いますが、そんなことをするくらいなら、別々に寝たほうがいいですよね(笑)。

かつて住んでいた女子寮の部屋での朝の風景

大吉さんいわく
一人暮らしは誰にも気を遣わなくていい

 夫婦の暮らしが別々というのは、ありがたいし、おすすめです。朝は2時に起きようが、3時に起きようが自由。隣に寝ている人に気を遣って、音を立てないようにそうっと起きる必要もない。
 

 私はだいぶ、いびきがひどかったらしいですよ。朝、起きると私の枕元に大小たくさんのクッションが散らかっているんです(笑)。
 どうやら私のいびきがうるさいときに、登美さんがクッションを投げてきたみたいなんですよ。

 私はそのことに起きてから気づくけれど、寝ている間は全く気づかない。そう考えると、二人で特に遠慮もせずに暮らしていると、どこかで迷惑をかけているんだろうなということが、この枕事件からもわかりますよね。

 またいっしょに住んでいると、ふつうの日常会話のなかで、今日はどこに行って、何をしてと、互いに予定を伝えることがあるでしょう。監視されているというわけではありませんが、一人暮らしなら朝起きてから夜寝るまで、どこで何しようが、誰にも言わず、すべて自分の判断でできます。本当に一人暮らしっていいですよね。

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