MENU

イノシシの獲れる駐車場|三浦編集長の日常 08

雪の石見銀山生活文化研究所本社社屋

こんにちは。群言堂広報の三浦です。

しょっぱなから寒々しい写真で申し訳ありませんが、大森の寒さを表現したかったのです。お許しください。

今回は群言堂本社駐車場でイノシシを捕獲したお話をしようと思いますが、

まずは上の写真のどのあたりに駐車場があるかお分かりでしょうか?

・・・いや、見えませんよね。大変失礼いたしました。

本社正面からは見えないところにあります

正解は上の赤丸部分の奥です!

実は景観を壊さないよう、奥まった場所に駐車場があるのです。

奥まで行くとこのようにスタッフの車が停まっています。

およそ20台ほど停められるスペースがあります

本社・本店勤務者50人あまりのうちおよそ3分の2が周辺の市街地などから車で通っています。

多くが15分圏内ですが、遠いスタッフは隣りの出雲市や邑南町などから1時間ほどかけてやってきます。

残りの3分の1くらいが県外出身の移住組で大森町内に暮らしながら主に自転車や徒歩で通っています。三浦も相棒・うさころ(柴犬♂)を連れて毎日徒歩通勤です。

イノシシ出現の恐怖

さて、こちらの駐車場ですが、実は夜になるとイノシシが出現し度々スタッフを恐怖のどん底に突き落とします。

小さな街灯しかない暗い駐車場で「フゴッ・・・フゴッ!」という鳴き声を聴くのは本当に怖いです。

そこで立ち上がったのが、われらが大森町狩猟チーム。

狩猟免許を持つ大森町民6人のメンバーのうち、4人が群言堂スタッフ!三浦と群言堂植物担当・鈴木、阿部家料理人・小野寺に加え、所長付き人を務める京都出身の狩猟女子・小森が今年入社しパワーアップしました。

狩猟期間が始まった11月には早速駐車場奥に箱罠を設置し、今か今かと捕獲を心待ちにしていました。

左手に見える罠は故障中で、中央奥に見えるのが今回設置している罠です

罠を設置したと言ってもただ罠を置いただけではイノシシはかかりません。

イノシシは警戒心が強いので、少しでもいつもと違うことがあるとその場所に近づかなくなります。

また、イノシシの嗅覚は犬並みに優れているそうなので、わずかな変化や人のにおいもわかるようです。

今回も罠を設置してすぐにイノシシが離れてしまい、しばらくは足跡もつきませんでした。

ここは罠の周りに餌を撒きながら、ひたすら忍耐です。

しばらくすれば雨風がにおいを消し、罠がその場に馴染んでそこにあるのが当たり前になってきます。

そうすると、警戒が解けたイノシシが再び姿を現すのです。

ついにイノシシが戻ってきました。罠の外の餌はなくなっていますが内側の餌には手を付けていませんね

翌日は内側まで入って食べているのが分かります

12月に入ってもなかなか戻ってこないなと思っていましたが、

先週の東京出張から帰るとようやく罠の外の餌に食べた痕跡がついていました。

段々罠内部に向けて誘導するように餌を撒いていくと、面白いように翌日、またその翌日と次第に奥の方まで入って来てくれるようになりました。

自分の中の野性的な遺伝子が刺激されて、餌一つ撒くのにも集中力が研ぎ澄まされていくのを感じます。

ここまできたらあとは奥に張ったワイヤーに引っかかって罠が作動するのを待つのみです。

ワイヤーの手前まで来ています。あとちょっと!

もう明日にもかかるのでは!?と期待に胸を膨らませるチームを尻目に、最後まで警戒を解ききらずワイヤー手前で引き返しじらすイノシシ。捕獲瀬戸際の攻防戦です。

そしてその時は来ました。12月19日(火)朝、三浦より早く出社した鈴木から狩猟メンバーのLINEグループに連絡が飛んできました。

ついにイノシシがかかったのです。

今回かかったイノシシ

なんと、2頭獲れていました!それもなかなかいいサイズです。

いつも指導していただいている先輩猟師さん曰く「年明け前に捕獲した体重40~50㎏くらいのメスのイノシシが一番美味い」のだそうです。

年明け前、というのは、年が明けるとイノシシが繁殖期に入り、特にオスは肉が少し獣臭くなりがちなのだといいます。また、メスは子育てを始めると警戒心が増して罠にかかりにくいとのこと。肉質は大きすぎると固くなり、逆に小さすぎると柔らかいけれどイノシシらしい味わいに乏しくなります。

見たところ今回かかったのはまさに50㎏前後、また解体時に分かったことですが両方ともメスでした!これはうれしい。

近づくと「ドンッ!!!」と突進してきます。檻の中だと分かっていても本当に怖いです。何度も柵にぶつかって鼻が傷ついていました

その日の夕方には止め刺しをしました。何度やっても慣れることはない瞬間です。

罠の中のイノシシは外に出ようと必死に突進し、鼻は傷ついて時に折れることすらあります。

普通イノシシは人間が近づけば逃げていきますが、罠を介して数メートルの距離まで近づけば極度の緊張・興奮状態になり、飛びかかってきます。

その殺気は恐ろしい限りですが、捕らわれているイノシシは命がけ。その気持ちを思えば当然のことと思います。

今、大森はイノシシ捕獲ラッシュが続いており、特にこの一週間は先輩猟師さんから「獲れすぎた」と言っていただいたイノシシを何頭も解体して朝も夜もイノシシづくしの生活をしています。

獣肉は臭いと思われがちですが、ちゃんと適切に血抜きすれば臭みもなく、スーパーで売っているどんなお肉よりも美味しく感じられます。木の実など山のものをたくさん食べて育ったイノシシは滋味深く、噛みしめるたび、土地のものをいただく幸せを感じます。

そして手を合わせ「いただきます」「ごちそうさま」と言う瞬間、自分は命をいただいて生きているのだということをいつも以上に実感するのです。

以上、「イノシシが獲れる駐車場」お送りいたしました。それではまた!

おまけ

ぷるぷるのコラーゲンたっぷり猪骨スープ

今日は日中、3日前に解体したイノシシの骨を煮込んで豚骨ならぬ猪骨スープをとりました!これを冷凍して来週、猪骨ラーメンを作る予定です。

スープは超・美味に仕上がっており、来週が楽しみでたまらない三浦です。


※もし今回の記事内容で気分を害された方がいらっしゃいましたらこの場を借りてお詫び申し上げます。

この記事はあくまで暮らしている土地で育ったいのちをいただきたいと考えている三浦の独断と偏見で書いており、群言堂が会社として社員の狩猟活動を奨励しているわけではないことを念のため付け加えておきたいと思います。

狩猟をすることに関しては賛否両論あると思いますし、いのちの線引きや食の選択など、群言堂の中だけでも考え方は様々です。

それを知った上で、三浦はこれもひとつの生きかた、里山の暮らしのひとつの在り方であると認識しています。

ご意見などございましたらお問い合わせフォームよりご連絡いただけましたら幸いです。


inkan_miura.jpg

三浦類(みうら・るい)
群言堂広報担当。愛知県名古屋市出身。

学生時代に群言堂のインターンで大森を訪れたことをきっかけに2011年入社。広報誌「三浦編集長」の制作や取材対応、WEB・印刷物での情報発信などを担当。植物担当・鈴木や阿部家・小野寺とともに狩猟免許を取得するなどして、頻繁に山や海で遊びながら大森暮らしを楽しんでいる。趣味はフラメンコギター。

三浦編集長の日常の他の記事