石見銀山 群言堂

第9週目_本編:さらに高く、厚みが増した「平」|鄙舎茅の葺き替えプロジェクト

下から見上げると、あんなに高い位置なのです。

西側であまり日が当たらないのですが、暑いです。

遠〜くから見た現在の鄙舎です。

2017年5月18日(木)

本日はよく晴れました。昨日行われた「茅葺き職人の弟子になれる日」で弟子たちが葺いた平部分が、職人さんの手直しによって、美しく仕上がっていました。平を葺く作業がずっと続いていますが、屋根の高さがずいぶん高くなりました。特に角の部分のボリューム感は大迫力です。もうカメラのフレームに収まりきれなくなりました。一番厚いところで70cm、平の厚み平均40cm〜60cmぐらいあるそうです。
ところで、お天気が良いと作業ははかどるのですが、最近は、日差しがどんどん熱くなってきており、職人さんを直撃します。一方、日が長くなり、夕方は涼しくなります。そこで夏には、昼2時か3時頃まで休憩をとって、その分夕方延長して作業することがあるそうです。

職人さんが小さく見えるほど、屋根は存在感を増してきました。

照りつける日差しが眩しいです。

一番ボリュームのある北西の角です。フレームからはみ出しました!


定点観測地点から。撮影を続けていますが、面白い仕上がりになりそうです。

こんなに高い位置から田んぼとそば畑を見ることも最初で最後でしょう。

たくさんの茅が運ばれては葺かれていきます。

足場を歩きながら茅の傾斜具合のチェックです。

茅の凸凹を叩いたり切ったりしながら調整します。

2017年5月19日(土)

作業地点は日に日に高くなっていきます。一層を葺くのにかかる時間が短くなっているように思い、職人さんに尋ねてみると、上部ほど屋根がすぼまっていくので茅を葺く面積的には小さくなっていくからですかね、とのことでした。
撮影中、ふと本社駐車場に向かうスロープの方に目を向けると、若手の腕利きの職人さんのひとり、松木さんが立って屋根を見ています。今ぐらいの段階で、遠くから屋根全体がどういう形になっているか把握して、それから上を葺くためのイメージと、最終的な屋根の仕上がりのイメージを掴むそうです。
屋根の上では、現場大将の森原さんがパトロールのように葺き加減をみながら指示を伝え、皆でガンギで叩いています。棟にピンと張られた赤いテグスに向かって、屋根全体の傾斜を調整していくのだそうです。

押さえ竹を固定しているのですが、踊っているみたいでした。

松木さんのその向こうを見ると、こんなに高いのです!

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