石見銀山 群言堂

第8週目_屋根上部の垂木調整と茅の層を葺き重ねる|鄙舎茅の葺き替えプロジェクト

垂木は新しいものに全て置き換えられました。

藁縄でしっかりと固定します。

とうとう屋根のてっぺんまでたどり着きました。

きつくしっかりと緩まないように縄を結ぶ森原さん。

2017年5月5日(金)

むき出しになった屋根上部の垂木を新しいものに全て取り替え、その作業が終わると、破風(※)の骨組みをつくっていきます。とても高い場所での作業です。図面によると棟高は約9m80cmにもなります。

※破風…切妻造や入母屋造の屋根の妻の三角形の部分(ブリタニカ国際大百科事典)

今まで使われていた古い木材も、十分使えます。


2017年5月6日(土)

本日はお休みです。


縄の結び目も理にかなって美しいです。

屋根裏から見た本社です。普段見ることはなかなかありません。

一昨年から田植えを始めた田んぼが見えます。

「エツリ竹」を取り付けていきます。

初夏の夕暮れに佇む鄙舎。

エツリ竹の取り付けにとりかかっています。

高所での作業のため、紐で材料をまとめて括り付けておきます。

2017年5月7日(日)

GW最後の日です。よく晴れた気持ちの良い日でした。5日の夕方に帰省から戻り、本社のすぐそばにあるバス停「大森」に着いた時、鄙舎は雨除けシートがすでに下ろされており、どれくらい作業が進んだか見えませんでした。本日、楽しみに現場に出かけると、屋根全体の骨組みが全て完了して、すっかり姿が変わっているのに驚きました。本日は、「エツリ竹」を取り付けていきます。作業場が上半分の高い位置になったため、垂木に結びつけたエツリ竹を補充しながら作業は進みます。本日一日で作業は順調に完了しました。

屋根上部の垂木を内部から。

垂木が棟木に集まって複雑な構造になっています。

茅が引っかかるように、竹の裏を表にしてエツリ竹は使います。

破風の部分を最後に完了です。


富士の御殿場から運ばれてきました。質の良い茅が育てられるそうです。

茅置き場に運び込みます。

3か所に設定した定点観測地点のひとつから。

午前中の写真です。平は1層目から2層目に取り掛かっています。

こちらは午後です。2層目が葺き終わりました。

2017年5月8日(月)

朝一番で、追加の茅が搬入されました。トラックいっぱいの茅の量は560束とのこと。再び、茅置き場に移動します。本日は「平」の3層目と2層目を葺いていきます。平に横に渡した足場の木の段が層を数える目安です。北西の角は一番厚みがあるため、現在3層目、平は2層目となります。ところで、GW前日から、定点観測を始めました。撮影場所を固定して、経過を記録する方法です。上の2枚の写真がそれを並べたものです。午前と午後で茅の層が厚くなったのがわかります。

北西の平。午前中、2層目まで葺き終わっています。

こちらは午後です。3層目が葺き終わっています。


切り茅と長い茅を混ぜて葺いていきます。

1本1本がきれいに重なり合い、層をつくっていきます。

金属や竹の杭を刺して茅を置く位置を決めていきます。

置いた茅を縄で締めるための鉄針を下で受けています。

人海戦術で茅を並べていきます。

サッサッと茅をならします。サラサラと気持ちの良い音がします。

2017年5月11日(木)

引き続き「平」を葺いていきます。“長い茅”と“切り茅”の2種類を、目指す屋根の傾斜をイメージしながら使い分けます。1本の茅の根元は太く、穂先は細いのが当然です。そして、細長い茅はしなります。何も考えずに茅を置いていくと、根元部分だけに厚みが出てくるので、思い描いている傾斜になりません。長い茅と短い茅を塩梅よく混ぜることによって、理想の屋根の傾斜をつくりだせるのです。
茅束を、板に載せトントンと根元を揃え、寝かせ並べてならします。まんべんなく「平」全体に茅を葺けたら、藁縄で締めていきます。その作業の繰り返しです。本日、4層目と3層目を葺いている最中、雨に見舞われ、作業はおしまとなりました。

新しく加わった職人の渡辺さんが、ガンギで整えています。

厚みが増して、ガンギを叩く時に重みが増してきました。

3層目の茅を置いています。(定点観測地点から)

西の平側の3層目を葺き終わりました。雨が降り出し、雨除けシートを急遽下ろします。

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