琵琶湖と鈴鹿山脈に挟まれ、豊かな水源に恵まれた湖東地域は、室町時代から麻織物の伝統が息づく土地。この地特有の湿潤な気候が、切れやすく繊細な麻を織り上げる助けになったのだとか。
そんな湖東地域から届く、群言堂の夏の定番が「もみほぐし麻」。もう20年近く、老舗織元・滋賀麻工業さんと群言堂が二人三脚でつくり続けてきた布です。
琵琶湖と鈴鹿山脈に挟まれ、豊かな水源に恵まれた湖東地域は、室町時代から麻織物の伝統が息づく土地。この地特有の湿潤な気候が、切れやすく繊細な麻を織り上げる助けになったのだとか。
そんな湖東地域から届く、群言堂の夏の定番が「もみほぐし麻」。もう20年近く、老舗織元・滋賀麻工業さんと群言堂が二人三脚でつくり続けてきた布です。
ベルギーやフランス産の寒冷地で育った亜麻(リネン)は、しなやかで上質。
ヨーロッパ産リネンの極細糸を織りあげ、やわらかくもみほぐした麻は、初めて袖を通した時からちくちくせず、肌になじむ素直な風合い。緯糸に強撚糸を使っているため、生地に凹凸が生まれ、肌当たりがさらっとしています。
風が通り抜ける涼しい着心地は、蒸し暑い日本の夏に最適。さらに洗濯後の乾きが早く、ノーアイロンで着られるのもうれしいところです。
熟練職人が目を光らせ織り上げた生地。自然なシボ感を残しながら生地幅を整えます。
「群言堂さんとつくりあげたもみほぐし麻は、僕の一生の宝物です」と話す山田清和さん。
「麻でこれだけ細い撚糸をつくるのはむずかしくて、さらにそれを織るとなると、熟練の織子さんでないとできないですね」と語るのは、滋賀麻工業の代表・山田清和さん。
「群言堂さんのオーダーでもみほぐし麻をやり始めた頃は、うちも細番手を織る技術が追いつかなくて、何度も糸が切れて、ほんまに困りました」と笑います。
それでもなお、できるだけ自然な風合いを生かしたいからと、麻糸を織りやすくするコーティングの「糊付け」はできるだけしないという滋賀麻さん。常にチャレンジし続けるつくり手としての姿勢が伺えます。
たっぷりシルエットが風をはらんで爽やかに。歳月とともに変化していく風合いも楽しみ。
ふわりと仕上がったもみほぐし麻は、着込んで洗いを重ねるほどに肌になじみ、歳月をかけてとろけるような風合いに育っていきます。実際に群言堂スタッフが10年以上着続けたもみほぐし麻は、薄い透け感の内から絹のような艶を放って、思わず見惚れてしまうほど。
植物から繊維をとり、糸にして織り上げるという工程を経て、強靭さを発揮してゆく麻。そのしたたかさの芯に潜むたおやかな美が、少しずつあらわになっていくさまは、まさに歳月の贈りもの。
人生の伴侶のように、一緒にじっくり時を重ねたい布です。
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