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日常に特別感をプラスしてくれる、作家・成田理俊の鉄フライパン【私のめづる道具#1】

毎日を完璧に生きることは難しいかもしれないけれど、ほんの少しの工夫で、日常に特別感をプラスすることはできる――。

もしかしたら、その積み重ねが人生を美しくするのかもしれません。

暮らしを大切にする「あの人」に、お気に入りのひとしなを聞く連載「私のめづる道具」。初回は、石見銀山生活文化研究所に勤める渡部宏美の登場です。

(以下、語り手:渡部宏美)

出会いは偶然。決め手はひとめぼれ。

購入のきっかけは、山口県の小さな書店「ロバの本屋」で作家・成田理俊さんが展示販売をしていた時に、そこを訪れたこと。前々からファンだったという同僚が、一緒に行かない?と声をかけてくれました。

なんでもとても人気で、当日は東京からわざわざ山口県まで足を運んだ人がいたくらい。

もともと鉄のフライパンに、ずっと興味はありました。でも、重たいイメージだったんです。あんまり重たいのは自分には合わないかも……と思っていたはずなのに、いざ見てみたら一目惚れ(笑)。

とにかくフォルムが可愛くて、サイズがちょうどいい。手のひらをめいっぱい広げて、少し余るくらいの大きさ、でしょうか。

大きなフライパンに比べたら、一度にたくさんのものは調理できないと思います。でも、だからこそ簡単な調理であれば、ものすごく使い勝手がいい。活躍するシーンがとても多い子だということに、使えば使うほどに気が付いていきました。

ただただ、目玉焼きを焼くだけで。

登場頻度が高いのは、やっぱり週末の朝ごはん。目玉焼きを焼いたり、ズッキーニやトマトにささっと焼き目を付けたり、薄めのホットケーキを何枚か焼いたり。……でも、目玉焼きが一番多いかな。

けっして特別なメニューではないのに、どうしてだか「自分のために料理をしている」という幸せな気分になれる時間です。料理と自分の距離感が、すごく近しく感じられるというか、料理をする時間の満足感が違うというか。

すごく気に入って買ったものが、家の中にある。そしてそれが使えているという、ちょっぴり「自分と道具に酔う」みたいな感覚なのかもしれませんね(笑)。豊かな時間です。

長く使いたいと思える、大事な道具。

「鉄製の調理器具って、なんだか手入れが大変そう」。そう思っている人も多いかもしれません。

何を隠そう、私がそうでした。でも、成田さんのフライパンは洗剤で洗ってよくて、そのあとは火で炙っておしまいでいいと聞いたのもじつは購入のもうひとつの決め手。

一緒に暮らし始めて1年ほど。ちょっとしたテカりが出てきたような気がして、これも使い込んできた味かなぁと思ったり。

このまま食卓に置いてもいいようにデザインされているから、おもてなし用としてももっと活用したい。

変わらない日常を営みながら、一緒に変わっていける、作家・成田理俊さんの鉄のフライパン。特別な時間を提供してくれる、私の「めづる道具」です。

■この道具について

・成田理俊の鉄のフライパン(200mm)
・参考サイズ:φ206 × 352 × 83mm(個々サイズが違います)
・参考サイト:http://panorama-index.jp/webmag/recommend_naritatakayoshi_frypan/

■この道具の持ち主

渡部宏美(わたなべ ひろみ)

Gungendo Laboratoryブランド販促担当。島根県出身。

求人サイト「日本仕事百貨」を見て応募し、2015年入社。好きなことは美術館に行くことと、美味しいものを食べること。大森での日々の出来事、洋服のことなどを自分の言葉でお伝えできるよう奮闘中。

伊佐 知美
1986年、新潟県出身。「登美」ブランドで起用されている「マンガン絣」の産地・見附市が実家。これからの暮らしを考えるウェブメディア『灯台もと暮らし』編集長・フォトグラファーとして、日本全国、世界中を旅しながら取材・執筆活動をしている。著書に『移住女子』(新潮社)。

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