「おに」がうまれて来る所

発売以来好評を頂いている見守り鬼は、
島根県江津市にある、社会福祉法人いわみ福祉会 ワークくわの木江津事業所の
利用者と支援員の方々につくって頂いています。

ワークくわの木 江津事務所

光が穏やかに差し込む作業場には、小さな楽しみがそこかしこにありました。
リラックスしてもらう為に利用者さんの好きなものが
いつでも眺められる棚が設置されていたり
乾燥の際に割れてしまった見守り鬼に
テレビで見覚えのあるキャラクターが描かれていたり。

「利用者さんにとって、とにかくまた行きたいなって
思ってもらえる事業所じゃないといけないんです。」

そう語るのは、ワークくわの木支援員の丸山さん。
見守り鬼は丸山さんの協力があったから、形にできた商品でもあります。
手作りであるという事は手間がかかるという事でもあり、
「暖かみ」と量産品としての「ムラ」の境目は曖昧で、
品質を安定させるのは難しいことです。
丸山さんは自分たちにあった方法を考えて見守り鬼をつくってくれています。
丸山さんと当社との出会いは、半年ほど前の丸山さんの飛び込み営業まで遡ります。

たまたま裂き織を一年ずーっとやっている利用者さんがおられて、
どこか使ってくれるところないかと思って、アポなしで群言堂に行きました。」

そこからしばらくして、見守り鬼の企画が生まれた時に、
ワークくわの木さんに相談してみたところ引き受けてもらう事になりました。
その当初の試作段階から、丸山さんは軽快なフットワークで 
江津と大森を何度も往復し、一緒に企画を量産まで進めて下さいました。

「全ての工程をまず自分でやってみるんです。
僕ら(支援員)がつくれなかったら教えてあげる事ができない。
結局どの部分が難しいとか、工夫がいるのかを経験しないと、
みんなにそれを伝えられない。
だからプロの作り方を調べたりして、工夫します。」

ーなぜそこまでこの仕事に積極的になって頂けたんですか?

「この仕事だけという訳ではなくて、
みんなが仕事を選べる状態がベストだと考えるからです。
障がいがあるからって判断するチャンス、選択するチャンスっていうのが
シャットアウトされるのはおかしいと思うんです。
一言に障がいといっても一概に「難しい」と
いわれる事ができない訳ではないんです。

最終的には利用者の皆さんが仕事を選べる状況をつくりたい。
A社さんからは何パターンかの仕事、
B社さんからも何パターンかの仕事っていう風に。
経験がないと選べないから、とりあえず試してみなよ、
やってみてああそれなら自分はこの仕事向いてるかもねって言う事ができる。
だから仕事の種類は手広くしていきたいんです。

もし地元に、事業所がパン屋さんしかなければ、パン屋さんに行くしかない。
そこで上手にできなければ、よそに行くしかない。
もしかしたら市町村外で地元から離れないといけないかもしれない。
それでは、住み慣れた地元で、自分に合った仕事を試し、
選択することができません。
利用者の皆さんがやりたいと思える仕事に
出会えるきっかけを作りたいんです。

したい事ができる、住みたい所で住める、
そんな当たり前の事が当たり前にできる世の中であってほしい。
社会と利用者さんの、お互いがお互いを必要とする状態をつくりたいんです。
その架け橋となるのが私達支援員の役割だと思っています。

ワークくわの木が運営する『森のレストラン』

今では見守り鬼は、どんどん利用者のみんなが目標生産数をあげていって、
「一日このぐらい、型抜かんと間に合わんでー」って言ってくれて。
みんなが自然にみんなの中での社会で、ルールを決めていくようになりました。」

ずらりと並ぶ見守り鬼

当社との仕事に意味を見いだしてもらえる方々が
会社の外側にもいるというのは本当にありがたい事だと思います。

見守り鬼だけでなく全ての商品においてそうですが、
つくってもらったからには、今度は自分たちの責任として
大切に販売させて頂きたいと思っています。

※「見守り鬼」は、生産終了につき、現在販売はいたしておりません。ご了承くださいませ。

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