石見銀山 群言堂

美肌和薬膳レシピ#1「甘酒美肌粥」

「肌の手入れには気を遣っているつもりなのに、どうも思うようにきれいにならない」
「なんだか最近、調子が悪い……」

もしかしたらその原因は、「からだのリズム」にあるのかもしれません。

中国出身、農学博士でありMeDuの開発者でもある房薇(ファン・ウェイ)が医食同源の考え方にもとづき、暮らしに取り入れやすいようにと独自アレンジも加えた美肌和薬膳レシピ。初回は、目にもこころにも体にもやさしい「甘酒美肌粥(あまざけびはだがゆ)」を紹介します。

■薬膳って?

中国の伝統医学である「中医学」の理論にもとづいて、食材と生薬を組み合わせた料理のこと。

病気の予防や体調回復を目的に、季節や体質に沿って、食物が自ら持つ効能や性質をかけあわて作られるのが特徴です。

農学博士でありMeDuの開発者でもある房薇(ファン・ウェイ)

房からのワンポイントアドバイス

薬膳は、一度食べたからといってすぐに効果を発揮するものではありません。一つひとつの食材も、それぞれに効能こそあれど、入手しづらい特別なものではない。

食べ合わせを工夫したり、継続して摂取することにより、じっくりゆっくりと体の中から変わっていく。ひいてはそれが、肌の美しさにつながっていく……というのが私の考え方の軸です。

楽しくなければ続きません。おいしく味わいながら、一緒に薬膳の世界を楽しみましょう。

■「甘酒美肌粥」材料(2人分)

甘酒

100g(粒つぶ感の残る、粗めの甘酒がおすすめです)

クコの実

20g 

干し葡萄

10g

なつめ

2個

食用薔薇

適量

氷砂糖

15g

片栗粉

10g

300g

白玉

(お好みで)

■作り方

1 なつめを柔らかくなるまで茹でる。
2 クコの実と干し葡萄を熱湯で洗う。
3 水300gを鍋に入れ、沸かす。
4 甘酒、クコの実、干し葡萄、なつめ、お好みで白玉を入れ、弱火で10分ほど煮る。(弱火・煮すぎないのがポイント)
5 食用薔薇、氷砂糖、水(分量外)に溶かした片栗粉を入れて、更に5分ほど加熱する。
6 お皿に盛り付けて、最後に食用薔薇をふりかけて完成。

■使用する材料の効果とはたらき

甘酒は、血液循環の促進や顔のむくみ解消、皮膚粘膜の保護や、シミの原因となるメラニン生成の抑制の効果があります。

クコの実は、血行改善、血糖値調整、精神強壮、眼精疲労解消など、女性のからだに嬉しい効果が。薔薇はデトックス作用、氷砂糖は胃腸の活性化、棗はストレス解消、干し葡萄は抗酸化作用など。

煮るだけで簡単につくれる美しくておいしい甘酒美肌粥は、さっぱりした味の中にクコの実やなつめ、薔薇の香りがアクセントになって、気分も華やぐおすすめの一品。

白玉をいれていただくのが房流。もちっとした白玉が入ることでボリュームが増え、お腹の満足度も上がります。

また薬膳は一度食べてすぐに効果が望めるというものでもないので、たとえば多めに作って一食分ずつ冷凍しておくなど、手軽に食べられるようにしても◎。

中国ではそうやってお粥を日常に取り入れている人が多いのだとか。


本当に簡単につくれるので、ぜひ一度お試しあれ。次回は「ごぼう野菜ポタージュ」のレシピをお届けします。

房薇(ファン・ウェイ)プロフィール

中国北京生まれ。中国西北師範大学生物学部卒業、日本鳥取連合大学院生物環境工学博士号取得。その後2年間委託研究員として島根大学生物資源科学部在籍。1997年(株)石見銀山生活文化研究所に入社し、現在に至る。

伊佐 知美
1986年、新潟県出身。「登美」ブランドで起用されている「マンガン絣」の産地・見附市が実家。これからの暮らしを考えるウェブメディア『灯台もと暮らし』編集長・フォトグラファーとして、日本全国、世界中を旅しながら取材・執筆活動をしている。著書に『移住女子』(新潮社)。

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