肌をきれいにしたいと思っても、付け焼き刃のお手入れではなぜか美しくなりきれないーー。
透き通るような美しさを持つ人を眺めていて感じるのは、「もしかしたら、心の余裕や何気ない毎日の習慣がその美しさを作り出しているのかも?」ということでした。
『めづる』編集部は、心地よく暮らしている人の時間の使い方に焦点を当て、「暮らしのリズム」を聞く連載をはじめることにしました。
初回は、石見銀山生活文化研究所に勤める長見早苗が登場。「MeDu」のコンセプトの大切な軸でもある、夜の時間の過ごし方について教えてもらいます。
仕事が終わるのは、大体19時頃。自宅と勤務先が徒歩圏内と近いため、帰宅時間は非常に短く5分ほど。「ただいま」と扉を開けた瞬間、長見さんの夜の時間がはじまります。
「帰宅後まずするのは、お酒作り。お気に入りのグラスに手搾りのゆずエキス、焼酎、氷を入れて、ゆずの焼酎割りを作ります。
ゆずは、親戚の自家栽培。毎年冬になるとダンボールいっぱいに送られてくるので、料理やゆず風呂でたっぷりと楽しみ、残りは手搾りでエキスに。瓶詰めして冷蔵庫に保管し、年間通して楽しめるように工夫しています(長見)」
ビタミンたっぷりで酸味のあるゆずの味や香りを堪能したら、今度は食事。がんばった自分をいたわるように、ゆっくりと夕食を楽しみます。
どんなに忙しい日でも、猫の毛並みをなでていると心が落ち着いていくという長見さん。食後はいつも、4匹の猫と一緒にリビングで過ごします。
「こんなに大家族になるとは、当初は想像していなかったんですけれどね(笑)。 もともと犬や猫がだいすき。でも、可愛がっていた飼い猫が亡くなってしまって、さみしい気持ちでいたところに庭に迷い猫が一匹。
目がすこし不自由なようで、かわいそうだなと世話を焼いているうちに居着いてしまったのが、現在一番古株の『ラビ』です(長見)」
腰を痛めたことをきっかけに、一年半ほど前から始めたヨガ。週に一度レッスンに通うほか、就寝前に簡単なヨガをするのが日課になっています。
「呼吸法をとても大切にしている先生から習っているため、普段から複式呼吸をとてもよく意識するようになりました。
お腹がぺたんこになるまで息を吐ききって、ゆっくりと吸う。それを繰り返すことで気分がすっきりします。ヨガを日課にすることで、よく眠れるようになったし、翌日の目覚めもよいです(長見)」
時間があれば猫をなでながら読書をして、長見さんはベッドへ。灯りをぱちんと消したときが、長見さんの一日が終わる合図です。
手間暇をかけて暮らすことや、それを慈しむ心の余裕があることが、毎日を充実させる秘訣のよう。
私たち編集部の目には、その意識が暮らしを整えることにつながり、肌の美しさにも影響しているように見えました。
みなさんは、どんな風に夜の時間を過ごしていますか?
長見さんのこだわりの日傘を眺めながら、そろそろ紫外線対策もしっかり行わねばと気を引き締め、取材を終えた『めづる』編集部です。