石見銀山 群言堂

わたしたちが綿を好きなところ。


◾︎ 群言堂は綿素材からはじまりました。


◆:群言堂は綿素材ではじまったブランドです。
とにかく登美さんが綿が好きで、BURA HOUSE(群言堂の前身ブランド)は綿のエプロンやワンピースなどを作っていました。

BURAHOUSEのエプロン

●:綿の風合いって優しいし、素朴でなんだかホッとしますよね。

:着るものの基本というか。

●:考えたら生まれて最初にふれる布が、綿の産着なわけで。

:まさにそうですね。

●:冬でも綿を探されているお客さまって多いそうですよ。

そういった店頭スタッフからの声も聞いて、冬本番っていう時期に「あたたかい綿素材」を取り揃えました!


◾︎ 綿のあたたかさに驚いた日本人。



●:もともと日本人が着ていた着物って麻素材だったそうです。綿を着るようになったのは江戸時代から。

:冬に麻って寒そうですね。

●:綿素材をはじめて着た時、そのあたたかさに驚いたみたいなの。ただ、あたたかな綿生地の欠点は『厚い重い』でね、、、

:重いのは嬉しくないですね。

●:現代では起毛させたり、三重織にしたり、中わた入りにしたりと軽くてあたたかな工夫がされています。寒い時期に綿を着るための工夫が、今も続いているのね。

:ネルやコーデュロイもあたたかな素材ですよね。

 

コーデュロイ(2021年)

●:ネルって「ウールのフランネル」のネルなの。

:ウールに似せたってことですか?

●:そう。子供の頃は冬のパジャマはコットンネルだったわよ。起毛して肌ざわりがやわらかくて空気を含んであたたかいのよね。逆に夏は糸の撚りを強くしてシャリッとした楊柳とかサッカーのパジャマを着ていたわよね。

:年中活躍してくれるのが綿ですよね!

●:冬用の起毛や夏用の楊柳も、綿に限らずできることなんです。でもやっぱり綿が好きなところは『素朴』なところかしら。

:「綿ってだけで安心する」って声もありましたよ。

●:お洗濯も楽ですよね。じゃぶじゃぶ洗えて丈夫だし。

:そのポイント高いです!

 

 

 


◾︎ 貴重な布地だから繕って大切にしてきた。


●:あたたかな綿の着物が日本で大流行したのだけど、布地って高価なものだったんです。庶民は着物を何枚も持っているものではなくて、冬はわたを入れて、春になったらわたを抜いて、夏になったら裏地を外して一枚仕立てにしたりしてたのよ。
野良着はボロになるまで丁寧に繕って着ていたのよね。だから小さな生地でも大切にしていたの。
昔から「小豆3粒包めたら捨ててはいけない」って言ってね。

:登美さんも小さなハギレを集めてるんですよ。
わたしたちもウエアの裁断でできたハギレを「もったいない」ってパッチワークしてつなげて、ストールとかクッションにして活かしています。

 

●:継ぎ接ぎしたボロ刺し子をモチーフにしたものづくりは、群言堂のテーマのひとつよね。

:「ボロの美」のシリーズや"はぎれ"でつなぐ、ものづくりですね。

野良着ボロの美(2013年)

 

 

 


◾︎ 化学繊維が苦手なんです。



●:化学繊維が苦手な人も多いです。私の妹は化繊は嫌だって「かゆくなる」とか言うのよ。

:わかります! 肌がカサカサするんです。

●:妹は肌に触れるものは絶対に天然素材を着るって言ってたわ。

:静電気のパチパチも嫌い! 化繊だと帯電しやすいので、インナーはもちろんニットやアウターも綿の重ね着で冬を越したいくらいです。

●:「シルクコットンのインナー」もあったかいわよね。あたたかさって密着度も大事なのかしら? やわらかいから肌に密着するでしょ。それってあたたかさに繋がるのよね。

:肌に触れるインナーだから尚さら気軽に洗えるのが一番です。

●:心情としても天然素材を身に付けたいって気持ちがあるわよね。


◾︎ あたたかさの秘密。


●:BURAHOUSEの頃は太い糸を使用したざっくりした綿素材が多かったけど、今はいろんな種類の綿素材を用意しています。

:この「ふんわりコットントリプルニット」は細い糸で3層に編み上げているんです。
3層にすることで空気を含むのであたたかい。そして風合いはとってもソフトなんです。

 

●:糸が細いってことは「やわらかい」ってこと。
生地が厚い = あたたかい」ってことなんです。太い糸で織ったらあたたかいけど重くなるし。生地がかたいと身体に沿わないから・・・寒いわよね。

:あたたかさにはやわらかさも必要なんですね。

●:糸も甘撚りの方があたたかくなります。

:糸自体に空気を含むからですね。

●:「逆スラブ」も甘撚りです。今までの逆スラブは平織りが多かったけど、今回は綾織。やわらかく厚みを持たせる織り方になっています。

:ジャケットやパンツに使用している「こぎん刺し子デニムジャガード」や「やわらかデニム」もやわらかいです。

●:群言堂のデニムは一般的なジーンズと違ってとてもやわらかい。細い糸を使っているし糸の撚りも甘め。だから優しい風合いなんです。

:やわらかくてあたたかくて、洗って使うほどにさらに風合いが増す。綿ってやっぱりいいですね!

【特集】やっぱり綿が好き