このカットソーは、糸でインディゴ染めをしてから生地に編んでいます。そのため生地で染めるより、糸の中までしっかり染めることができます。編み上げた生地は、抜染(ばっせん)という技法で色を抜きます。
新作は「ほぐし織り」をイメージしました。織物であるほぐし柄を、カットソーの抜染で表現した複雑な柄です。
抜染の調整は職人さんの技術できまります。特に真っ白に抜けきらず、半抜染(はんばっせん)という段階に分けて味わいのあるインディゴの濃淡をつけていただきたかったので、調整が大変難しいのです。微妙な色の表現は抜染剤に触れてから刻々と変わる時間との闘いなので、職人さんの技量で色域が決まるのです。
『ほぐし織り』・・・経糸に柄をプリントするために一度仮織りをし型染めした後、仮織した糸をほぐしながら本糸を緯に打ち込む織り方です。