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子育てを楽しむ生き方が、私の健やかな暮らしへの近道【よい1日のはじめかた #2】

透き通るような美しさを持つ人を眺めていて感じるのは、「もしかしたら、心の余裕や何気ない毎日の習慣がその美しさをつくり出しているのかも?」ということ。

心地よく暮らしている人の「暮らしのリズム」を聞く連載「よい1日のはじめかた」。

第2回目の今回は、生まれ故郷である島根県大森町にUターンして、日々子育てをしながら暮らす松場奈緒子さんにお話をお伺いします。

奈緒子さんと次女のななちゃん、姪っ子のひのわちゃん

奈緒子さんは、7歳の長男をはじめ、4歳、2歳、そして0歳という4人の子どもを持つお母さん。近所のお母さん達が大変なときは、彼女たちの子どもの面倒をまとめてみることもあるんだとか。

そんな自分を「肝っ玉母ちゃん」と称する奈緒子さんは、とてもやわらかな雰囲気で、肌は透き通るようにきれい。その理由は、肌に負担のないシンプルなお手入れはもちろんのこと、毎日のリズムに無理に逆らわない、奈緒子さんの心持ちにありそうです。

奈緒子さんの1日のスケジュール

15:30 長男が帰宅し、宿題をうながす
   (負けられない戦いがはじまる)
16:00 保育園へお迎え
17:00 夕食の支度。子ども達にお手伝いをしてもらう
18:00 家族そろって夕食
20:00 子どもたちと一緒にお風呂
21:00 絵本を読んで子どもたちを寝かせる

6:30 起床、朝食、家事
7:15 朝食&長男登校準備&長女次男の支度
7:45 長男を小学校に送り出す
8:30 長女、次男を保育園までつれていく
10:00 姪っ子2人と次女のお守り
12:00 夫と昼ごはん
13:00 買い出し、地域のこと、家事
※0歳の次女のお守りはつねにしている

真摯に、けれど気負いすぎない子育てとの向き合い方

1日のスケジュールを見ても、つねに子どもたちと一緒の奈緒子さん。しかも、近所の子どもたちも頻繁に自宅にやってくるので、毎日とってもにぎやかです。

でも今は、自分の時間を確保するよりも、子どものリズムをくずさないように、と考えて暮らしているそう。

「子どもには子どものリズムがあり、それは『毎日同じ時間に起きてごはんを食べて、お風呂に入って寝る』という規則性で成り立っています。そのリズムが崩れると、子どもはすぐに体調を崩したり、ぐずりやすくなってしまったりと、なんだか上手く歯車が噛み合わない感じがするんですよね」。

自分の時間がなくても、たとえば料理をしている間やお風呂に入っている間など、「『思考している時間』は自分だけのものだから」と奈緒子さんは言います。

「当然だけど、子どもは自分から産まれたから、向き合っている時間は『自分と向き合っているような感覚にもなる』」とも。

子どもをひとりの大切な人格とみなし、自然体の自分で一人ひとりと向き合う。子育てに対する、無理な気負いのなさを奈緒子さんからは感じます。

地元で子育てをする、という大きな決断

奈緒子さんの子育てを、近くで見ることも多かっためづる編集部。私たちは、「奈緒子さんは昔から、こんな感じのすこやかな子育てをしているのだろう……」とお話を聞くまでは考えていました。

けれど奈緒子さんいわく、「子育てが辛かった時期もある」のだとか。

「長男を妊娠して、1歳半になるまでは東京都内で暮らしていたので、重いお腹を抱えて満員電車に乗ったり、子育て情報をネットで探し続けたり。結果、育児うつになってしまい、精神的にも体調的にも辛い日々を過ごしていた時代もあったんです」。

そんな奈緒子さんが大森町で暮らすことになったのは、育休が丁度終わり、夫も大森町への転勤が決まったタイミングだったそう。

Uターンをして大森町で子育てをした方が安心して暮らせるイメージができましたし、今から思えば良いターニングポイントになったと思います。」

帰ってきて本当によかった

大森町で暮らすようになって、子どもたちの様子も、奈緒子さんの気持ちも変わりました。 大きかったのは、実家があるという安心感はもちろんのこと、周囲に「子育ての大先輩たちがたくさんいたこと」。

「東京ではTwitterなどのSNSで子育て情報を発信して、『誰か遠くの共感してくれる人に届けなきゃ』などと思っていました。

けれど、大森町には自分より経験豊富なお母さん達がたくさん暮らしていて。

『奈緒子ちゃん、今日無理にそれをしなくても、大丈夫だから』
『子どもは勝手に大きくなるから、心配しすぎないこと』

彼女たちは、私にいつも声をかけてくれました。自分と同じように子どもを見守り、一緒に育ててくれる地域の方々がいるという安心感は計り知れません。

もちろん今も大変なことは多いけれど、まだ笑えるんです。昔だったら泣いていたことも、なんだか楽しく乗り越えられています」。

子どもは多様な社会性の中で育つべき

大森町暮らしは、奈緒子さんだけでなく、子どもたちにもよい影響を与えているそう。

「子どもは社会の中で生き、自分と違う点を見つけたり、人のよいところを発見したりして育ちます。多様な人達と、日常的に関ることができる環境は、じつは子どもの成長にとてもよい影響を与えるんじゃないかって、大森町で改めて暮らし始めて感じました。

今でも鮮明に覚えている長男の発言があります。それは、地域のお祭りの準備の際に、長男が『僕も手伝いたい』と言い出した時のこと。

私も周囲の大人も、『まだ難しいと思うよ』と返しました。でも彼は、『僕だって、役に立ちたいんだ!』と言ったんです。

長男のこうたくん

はっとしました。なんだかそれって、人が生きる根源的な話だなって思ったんです。当時長男は5歳。そんな小さな彼でも、地域の中で役割を見出し、人の役に立ちたいと感じている。

それは親からの影響だけではないはずです。たとえば、ご近所におつかいに行って、そこで一緒にお話をすることだったり、みんなが集まっている時に子どもたちだけでお菓子を食べていたら、近くにいる大人が『自分たちだけで食べていないで、みんなにも分けてあげなさいね』と教えてもらうことだったりとか。

ひとりで子育てをしている感覚がない、とでも言うのかな。地域の方々、みんなに育ててもらっている感覚がある。そういった環境で育った子どもたちと話をしているだけで、毎日いろいろな学びがあります」。

次男のたいしくん

子どもを自分の思い通りにしよう!なんて思わないこと

「子どもを自分の思い通りにしよう、なんて思わない方がいいんだと思います。私は、大森地域の赤ちゃんサークル『森のどんぐりくらぶ』を運営しているのですが、先日そこでヨガ教室を開きました。

先生を呼んで、会場も用意して、さぁいざヨガをしよう!と思ったとき、突然子どもたちがぐずり始めてしまって。その時は仕方がないねと笑いながら、ママ友みんなでヨガの代わりに、座って雑談をしました。でも、みんなで過ごしていたら、いつの間にか子どもたちが軒並み眠ってしまって(笑)。

最後は、「これならちゃんとヨガができたね」なんて言いながら、楽しい時を過ごしました。

そんな風に流れに身を任せればいいんだと思っています。 夜も、『子どもを寝かしつけようと焦れば焦るほど、全然眠ってくれない』って、代表的な子育てあるあるなんです(笑)。一緒に寝よう、と自然体でいる方がよっぽどすんなり眠ってくれます」。

よい人生を送るための、毎日の過ごし方

とても綺麗な奈緒子さんの肌。けれどじつは、肌荒れが気にならなくなったのは大森町での暮らしが始まってから。専門医から薬を処方されても治らなかった肌荒れが、「規則正しい暮らし」と、クレンジングが不要なナチュラルメイクに変わってから、徐々に改善されていったのだそう。

現在は、「MeDu」の保湿洗顔石けんで落ちる程度の、日焼け止めと粉のベースメイクで過ごすのが基本。

暮らしとメイクの概念が変わって以降の奈緒子さんの肌は、「つるりと陶器のように美しい肌」という形容がまさにぴったりです。

「大切なのは、自由な時間が何分あるかじゃないんだと思います。精神的に、どこまで朗らかに生きられるか。自分の役割や人生の段階を正しく、納得感を持って捉えられるかーー。そんな感じなのかなぁって、今は思います」と奈緒子さん。

すこやかな日々の過ごし方について考えるとき、「自分がどんな生き方をしたいか」に立ち戻ることは、大切な要素になりうるようです。

さて、名残惜しいですが、この物語はそろそろおしまい……。 奈緒子さんの姿に、何かみなさんに役立つヒントがありますように。

松場奈緒子

1984年、島根県大田市生まれ。12歳まで大森町で暮らし、専門学校進学を機に上京。結婚・出産後、2012年に大森町にUターンする。現在は4人の子育てに奮闘中。大森町で元々運営されていた保護者会「ぬのんこクラブ」を引き継ぎ、今の子育て世代に合わせて、赤ちゃんサークル「森のどんぐりくらぶ」として2015年4月に再スタートさせる。地域のお父さん・お母さんの子育てネットワークをつくり、大森町を次の世代へとつなぐ取り組みをしている。

書いた人

伊佐 知美
1986年、新潟県出身。「登美」ブランドで起用されている「マンガン絣」の産地・見附市が実家。これからの暮らしを考えるウェブメディア『灯台もと暮らし』編集長・フォトグラファーとして、日本全国、世界中を旅しながら取材・執筆活動をしている。著書に『移住女子』(新潮社)。

撮影した人

タクロコマ(小松崎拓郎)
1991年生まれ、茨城県龍ヶ崎市出身の編集者/カメラマン。これからの暮らしを考えるウェブメディア『灯台もと暮らし』編集部 所属。

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