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第2話|ムーンスターさんとのコラボスニーカーができあがりました。

MOONSTARとのコラボスニーカー、”PALETTE CLASSIC” ”PALETTE BASKET”ができあがりました。

Gungendo Laboratoryで取り組んできた植物染めプロジェクト「里山パレット」。

1年以上かけ、MADE IN KURUMEでお馴染みの、老舗スニーカーメーカーMOONSTARさんとコラボスニーカーができあがりました!

一つの靴ができあがるまでの過程や技術、歴史をムーンスターの本社のある久留米へ松場と渡部が行ってきました!

第1話ではモノづくりの現場である工場へ、
今回の第2話ではムーンスターの皆さんにお話しを伺いました。

コラボレーションした経緯や、
ムーンスターさんの歴史のこと、靴のこと、
弊社、石見銀山生活文化研究所の第一印象など、
ムーンスターの方にお聞きしました。


【INDEX】
第1話|ムーンスター工場見学に行ってきました!
第2話|ムーンスターさんとのコラボスニーカーができあがりました。


MOONSTAR久留米工場

MOONSTAR

1873年(明治6年)に福岡県久留米市で創業された「ムーンスター」社は
140年を超える歴史をもつ老舗靴メーカー。地下足袋の生産を契機にゴム産業の町として栄えた久留米で、熟練の職人さんの丁寧な靴づくりが今も受け継がれる会社です。
その精巧な技術力と真摯なものづくりから、国内はもちろん世界からも注目されています。

FINE VULCANIZED

国内でもごく僅かな工場でしか生産することの出来ない加硫製法。

この製法から生み出される靴にはソールがしなやかで柔らかい、丈夫で壊れにくい、美しいシルエットが保てるといった良さがあります。

何より、熟練の手仕事でしか生み出せない精巧で美しい”作りのよさ”が魅力です。

Gungendo Laboratoryとコラボしていただけた理由は?


松場
 今回は一緒にやらせていただいて本当にありがとうございました。

松場  実は最初、群言堂としてはスニーカーってやっちゃいけないものなんじゃないかっていう雰囲気が会社の中にあって。というのも、比較的うちの世界観では、スニーカーは合わないんじゃないかと思って、今までずっとやってこなかったんです。ただ今回僕が担当するGungendo Laboratoryというブランドができ、より新しい取り組みをしていきたいなと思いました。

そこに登美さんが、ちょうどD&DEPARTMENTの福岡店に行ったときにムーンスターの靴が展示してあるのを見て、「面白いのがあったわよ」ということでパンフレットをくれたんですね。

「あれ、うちでスニーカーはいいんですか」って聞いたら、「Gungendo Laboratoryだったらやっていいんじゃないかな」ということだったので、スニーカーがすごくやりたかったので、すぐメールしたのが最初なんです。

あれは3年ぐらい前でしたでしょうか?

左:広島支店長 平田(清)さん 右:プロダクト戦略室 松永さん

松永さん そうですね、3年ぐらい前で展示させてもらった。多分福岡の展示だと思いますね。そのときに多分リーフレットで。そのぐらいですね。

松場 その後すぐに石見銀山の本社までみなさん来てくださって、東京だったら東京の事務所へいらっしゃるとかはあると思うんですけど、すぐに石見銀山にお越しいただいてすごく嬉しかったです。

今辻さん 僕も行きたかったです。

山﨑さん  楽しかったですか?

松永さん  楽しかったです (笑)

松場 最初はどうして受けていただけたのかなって思って。

松永さん 話し合いましたが、やっぱりうちは久留米っていう所を産地としてかなり大事にしてるところがあります。

同じような動き、里山パレットもすごい面白い取り組みだと思いますし、そういったところの共通点、人も共通点ありましたけど会社というかブランドの方針がちょっと似てるなというので、そういった所とコラボすることは相乗効果を生むかなと。

うちは靴底の開発はできますけど、上の部分は、特に素材の部分はあまりできなくて、そういうお互い補いながら良い物ができたらというのが最初の考えでした。


【里山パレットとは?】

里山に自生している植物の花や茎、葉や実から抽出した色に、自然由来の糊と少量の化学染料を加え、色の強度を補い光や汗で退色することを少なくし た新しい染め方です。剪定された梅の枝や、木から落ちて出荷できなくなったブルーベリー、拾い集めたどんぐりを「里山から授かった資源」として活かすこと を実践しています。里山パレットでしか味わえない植物の色のゆらぎをお楽しみ下さい。

里山パレットについて詳しくはこちらへ>>>

石見銀山生活文化研究所にはじめ訪れた時の印象はいかがでしたか?


松永さん
 やはりこんな所に・・・。

平田(清)さん そうだよね、初めて私もびっくりしましたよね。
まず事務所にびっくりしました。

渡部 事務所の中?

平田(義)さん 外見から全然想像できなかったね。

松永さん 秘密基地感が半端なかったです。

中島さん 分かる。ホームページ見させてもらったらそういう感じ。

松永さん 茅葺きの木造の建物を通って、中へはいったらMacのPCとかバーっとあって。

株式会社石見銀山生活文化研究所本社社屋。夏になると緑でいっぱいの景色になります。

平田(清)さん トイレも情緒ありますね。

松場 トイレは更地だったときうちの会長が図面とか引かずに木の棒で、「これぐらい」って言ってビーっと線引いて、大工の楫谷(弊社社員)を呼んだら「分かった」って言って、それで作ったってのが始まりです。

トイレの壁には顔があります。楫谷の遊び心。

お手洗いには水琴窟があります。柄杓に水を汲んで手を洗えば、カラカラと心地良い音が響きます。

松永さん なんか何とかレンジャーの基地みたいですね。全然知らないで通ると・・・。

全員 ハハハハハハ

左:プロダクト戦略室 山﨑さん 右:商品企画部 中島さん

広島支店長 平田(清)さん

広島支店 遠藤さん

平田(清)さん 通り越しちゃうね 笑

松永さん  田舎なんですけど、入ってみたらすごい研究所があったみたいな。いや〜かっこ良かったです。

平田(清)さん 生活研究所だもんね、本当ね。

中島さん 何回か行かれたんでしょ?

平田(清)さん もう2回行った。ありがたいことに、うちの看板があったんです!

つきほし歴史館にて。

株式会社石見銀山生活文化研究所にある「つちや地下足袋」の看板。

松場 うちの本社で、唯一かかっている看板が、つちや地下足袋なんです。本当にびっくりしたんですけど。

平田(清)さん いつか誰かに見せてあげることできるように写真撮ったんだよな。

ー 平田(清)さんがみんなに写真をみせてくれる ー

松場 うちもびっくりしたんですよ。あれがMOONSTARさんだとは知らずに。うちの会長が古いブリキの看板を何枚か買ってきて。飾っていて。

中島さん すごいですね。

平田(清)さん 普通に置いてあったからね。撮っちゃったね。

松場 うちの看板はここにないんですよ(笑)

中島さん すごい良い宣伝じゃないですか。

松場 初めてお越しいただいたときに、「これうちの看板です」って言われたときに、え!?って。

平田(義)さん 貴重ですね。うちにもないので。

松永さん このタイプはないですね。

平田(清)さん これに近いような看板は歴史館にありますよ。

松永さん ここまで古いのはないですけどね、多分。

山﨑さん つちや地下足袋はなかなか見れないですよね。

どういう工程がむずかしかったかお聞きしたいです


渡部
 今回のコラボスニーカーをつくるにあたって、何か工程で難しかったことはありましたか?

今辻さん 一つは、生地に麻が混じっていると割れたりするんですよね。そこを気を使いながら技術と素材の試験をして、何とかクリアしたというのがあります。

あとは、生地が薄手なのでゴムのりを使って裏に生地を当ててあげたりとかして、靴に耐えうる強度を生地に持たせてあげるっていう、それで補ったっていうところですね。

企画 今辻さん

松永さん 作る段階と言うよりかは、事前の試験だったり、あとは、これをしっかりとシルエットを保つような仕様だったり、接着をうまく生かせるような配合を色々と選んだり、その開発段階が一番時間がかかりました。Goってなったところではすんなり生産できました。

松場 じゃあ今は安心して生産している感じですか?

今辻さん そうですね、もう。

松場 実際上がった感想としてはどうですか。

松永さん やっぱり風合いがケミカルで染めてる物と違って、柔らかい色が出てるので良いですね。今までやってる染めは単一に染まるような、パキっとしたものしかないので、かなりナチュラルなテイストになってるのが、新しい雰囲気、見え方を出せているなと思ってます。うちじゃ出せない表情かなと思います。

2017年モデルのコラボスニーカー

2016年モデルのコラボスニーカー

松場 今回綿麻の混合なんです。綿と麻の混合だと染め差が出るんですよ。綿の染まりと麻の染まりどっちも違うので、その差が生地に表情を持たせるのでわざと2種類絡んでる生地にしたんですよね。

松永さん 独特の光沢というか。

松場 そうですね。上品さをどう出せるかを結構考えていて、そういった意味ではこのツヤ感が、生地を見て「いい感じになると思うんだよね」ってずっとスタッフに言いながらやっていたんですが、無事に雰囲気良く上がってくれたので、良かったなあと本当に思います。

松永さん お店に合いそうな感じですよね。

中島さん 現場見てるとそう思いますよね。

渡部 PALETTE BASKETとPALETTE CLASSICの形の、それぞれの形の良いところや特徴をお聞きしたいです。

松永さん はい、PALETTE CLASSICの方はもともと70、80年代ぐらいまで、体育館シューズを当時はまだバルカナイズ製法(※1)で作ってました。今はもうセメント製法っていう上のほう(アッパー)を作って、底を作って、接着剤でくっつけるというやり方なんです。PALETTE BASKETは当時のバルカナイズ製法で作ってた時代の体育館シューズだったり、スポーツシューズをベースにしてます。

※1 バルカナイズ製法:国内でもごく僅かな工場しか生産することのできない加硫製法。スニーカー本体とソールの間に未加硫ゴムをはさみ、硫黄を加えた釜で熱と圧力をかけ、ゴムを硬化させる製法。

PALETTE CLASSIC

PALETTE BASKET

特に特徴的なのが、つま先に向けて縦に切り替えが落ちてる所なんで、このメリットとしては、ほかの靴のように切り替えが横に落ちると、小指だったり親指だったりに、足の甲に当たるっていう、足当たりっていうのが人によってはおきてしまうこともあるんですけど、こうやって縦に落とすと横に縫い目がこないので、そういった足当たりが全然しないっていう特徴があります。なので、昔からスポーツシューズとかによく使われてました。

もともとスポーツシューズなので補強をしています。アディダスとか外に補強が付いてたりするんですけど。うちは外に出さずに本当の補強としてこう使ってます。

つま先の凸凹

あとはバルカナイズらしさを出すために、つま先に凹凸が出るようにしています。ちょっとここはデザインライクな所ではあるんですが、ボコボコを作ることで、昔っぽい、体育館シューズっぽいところを匂わせたかったというのがあります。

レトロシューズでずっと上履きとか体育館シューズを作っていたうちの歴史をそこにのせながらデザインした商品です。そのままデザインを復刻させたわけじゃなくて、今の時代のバランスをとってデザインしています。


渡部 PALETTE BASKETは?

松永さん PALETTE BASKETに関しては、レディース向けの商品なので、底自体は薄くせず、底面をちょっと薄く見せています。このテープの幅も薄くしたり。

女性にとってボリュームのある靴が良いと言う方はいらっしゃるんですが、少し男っぽくなり過ぎるっという方が多かったので。

松場
 実際の底の厚さは変わらずに?

松永さん それは変わってないですね。

松場 それはポイントですね。

PALETTE BASKET

実際の靴底の厚みは他のスニーカーとも変わらずクッション性を確保しています。

PALETTE CLASSIC

松永さん このテープの幅とかを変えることによって華奢さを出してます。あとここの履き口って言われる所も、パンプスだったり、女性の足がきれいに見えるようにかなり深くグッとえぐっています。

松永さん 女性らしい丸みのあるパターン、捨て寸と呼ばれるつま先のゆとり、ここも他のデザインよりも詰めることにしてます。そういう女性らしさだったり、丸みっていうものを意識してデザインしました。


松場 見た目華奢に見えるのに、クッション性がほぼ変わらずにいるってのはうれしいですよね。

松永さん ロングスカート、素足とかで履いてもらいたいですね。PALETTE CLASSICはもうちょっとメンズライクな履き方をしていただいてもいいですね。

MOONSTARさんのものづくりの強みは?


松場
 特徴って言ったほうがいいんでしょうか。揺らぎない自信を持ってる部分はなんでしょうか。

中島さん やっぱり140年の歴史だと思うんですね、つちや足袋から来てるんですけど、綿々と続く技術の継承とか、そういった部分で良い物を供給できる。

そこには品質とか、安心、安全といった部分があって、それは国産だけじゃなくて、われわれが持ってるDNAというか、海外でも同じ品質管理体制を、国産と同じレベルでやっているので、そういった部分では品質というのが大きな特徴じゃないかなと思います。国産に限らず。

松永さん ゴム材とかDNAって言われたものを掘り下げていくと、ゴムの配合とか、そういったノウハウや知識、

例えばソールには耐久性だったり、耐久性もありつつしなやかな履き心地を実現する配合だったり、回していくテープの部分は接着をしっかり止めるようなテープの開発だったりとかが140年間ずっと同じ物を継承しているわけじゃなくて、必ず試行錯誤をして、ずっとそこで積み重ねていった配合とかそういったゴムの部分がやっぱり一番、物的な視点でいくと強みですね。

平田(義)さん ハイテクな部分はできないですね。今言ったような、もっとこうだったらいいのになってところを、お客さまが喜んでもらえることをしっかりやる。

当たり前のことをしっかりやるっていうのがうちの強みかなと思うんでけどね。結構他社の方からも技術力は認めていただいてます、品質と技術力はですね、そこはうちの強みかなと。
決して企画力とか、ハイセンスなデザインとか、そこは・・・。

平田(清)さん 謙遜してるんで。

平田(義)さん そういうところも自信もあるんですが、やっぱりそのバランスも含めて。

中島さん 骨格となる部分の木型は、20万人ぐらいかな? データを持っていて、それをこういった設計に生かしています。そういった歴史だとかノウハウだとかいうところは当然MOONSTARにはあると思ってます。

商品企画部 平田(義)さん

平田(清)さん 営業やってて感じるんですけど、うちは本当に品質基準は高いですよ。

中島さん 自社の商品は、1シーズンでもやっぱり相当のサンプルチェックスケーリングというかあるんですけど、全てうちの品質保証が、そのサンプルのチェックをやるんですね。本当に厳しくて・・・

松場 品質基準って難しいですよね。事故がないようにすればするほどつまらない物になっていきやすい部分もありますよね。

中島さん そうなんです。ガチガチになります。

松場 ある程度の個性を、ここからここぐらいまでは個性っていうものを決めないと作れなくなっちゃうんですよね。

品質基準っていうのはあらためて突き詰められてるものはありますね。

そんな中でも今回MOONSTARさんから届いたサンプルを見て、不安はありませんでした。サンプルを見ても、どれもきれいで。

実は靴屋で以前働いていたので、仕上がりとか、のりがはみ出てるとかいろいろ分かるほうなんですが、そういう嫌な印象が全くないので、品の良さにつながっていると言うか、ただ履ければいいスニーカーではなくて、ちゃんと履く大人のスニーカーですよね。

きちんとした良いスニーカーを履いてるという実感が生まれるようなスニーカーを作っていただけて本当に嬉しいです。


ー取材が終わってー

今回私は入社して初めて作り手の方にお話を伺いました。
ムーンスターの方とお会いして、お話を伺う中で、印象的だったこと、個人的に学んだことはたくさんあるのですが、中でも私が一番心に残っていることは、お客様に誠意のこもったモノを受け取ってもらうために「あなたから買いたい。」と思ってもらえるモノづくりをお互いしていきたいことをお話しできたことでした。

そんなMOONSTARさんと同じ方向をみてコラボレーションさせていただけたこと、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。

PALETTE BASKET、PALETTE CLASSICが色んな方の日常の一足になっていただけたら嬉しく思います。

inkan_watanabe.jpg labo担当:渡部

第1話|ムーンスター工場見学に行ってきました!

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