この素材に使用されている有色ウールは、ニュージーランドの南島で育てられた羊から生まれています。羊たちが育てられているタラヌイ農場は「ハウヌイ（風の地）」とも呼ばれ、常に風が吹く高地にあります。1982年にニュージーランドに移住した英国の女性が豊かな天然色の羊たちに魅せられ、わずかな頭数の天然有色羊の飼育を始めました。風の吹く高地で伸び伸びと育った羊たちの毛は、非常に健康で、艶と膨らみに富み、十分な繊維長としっかりした強力を兼ね備えています。そして何よりも豊かな奥深い天然色を有しています。それらの天然色羊毛はブラック・コーヒー色の濃色から薄いキャメル・ベージュまで丹念に手選別されます。この繊度でこれほど幅広いカラー・バリエーションを産出する牧場は世界でも類を見ません。このように自然体に近い状態で糸にするので、まれに糸の中に牧草が雑ざってしまう事がありますが、それほど化学的な力を借りていない証拠なのです。