石見銀山 群言堂

第5週目_垂木の調整と「つくり茅」の始まり|鄙舎茅の葺き替えプロジェクト

葺き替え職人さん6人が集まりました。

屋根内部からの景色です。

桃の木越しに見るとなんだか和やかに見えるから不思議です。

土壁に突き刺さっていた竹。

間隔を測りながら垂木を置いていきます。

垂木が浮いています。

2017年4月10日(月)

曇り空の下、屋根妻側の垂木の組み替えと調整が行われています。ここで、少し手間のかかる調整作業がありました。というのも、間隔を調整しながら普通に棟木から軒桁に垂木を置いていくと、その間の支えに渡されている竹と垂木との間に隙間があくのです。使われている木の自然なフシや曲がりなどのため、どうしてもできてしまう隙間。そこに木切れを挟んでいきます。一本一本アキを確認しながら時間のかかる作業ですが、定刻前に覗いてみると既に作業が終わっており、雨除けシートがいつものように下げられていました。

木切れを削って厚さを調整して挟んでいきます。

固定のためのビスを止めていきます。

きれいに長さが整えられた垂木。

現在鄙舎はブルーシートで覆われています。


保存状態の良い小舞が出てきました。

立派な梁も出てきました。

「どろ」と呼ばれる土壁です。

一本一本仮結びしていきます。

星のような形の年輪が現れました。

2017年4月13日(木)

二日間の雨の後、春らしい日和となりました。作業は垂木の仮締めと「茅受け」の四隅をぴたりと合わせる調整に取り掛かります。本締めの前に、あらためて垂木の位置を決めて仮締めをしていきます。同時に、垂木の位置を決められるため、「茅受け」という、屋根の骨組みの一番下で垂木の上に垂直に据え置かれ、茅の重量を受け支える役割の木を、屋根全ての面に取り付けていきます。さらにその四隅を45度斜めに切り落とし、ピタリと据え(合わせ)ます。

ピタリと合わせないと茅の重みを受けきれないそうです。

雨除けシートを下げています。初めて立ち合いました。


緩みがないよう、しっかりと締めます。

本締めされた垂木。美しく並んでいます。

今回の葺き替えで、屋根の形が少し変わります。

使われる藁縄は70kg運び込まれました。

しっかりと本締めされた屋中と垂木。

2017年4月14日(金)

昨日に引き続き、春らしく暖かな良いお天気です。本締めと茅受けの設置、そして「ナワトリ」竹という、これもまた茅葺き屋根の軒下を支える大切な竹を渡していきます。作業が進むにつれ、いよいよ屋根の構造が見えてきて、ふと茅葺き屋根が完成した姿を想像しました。「感動するでしょうね」と思わず隣にいた職人さんに話しかけました。明日は雨の予報で作業はお休みです。

男結びという結び方だそうです。

「ナワトリ」竹を3本渡します。

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